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二次電池負極用 シリコン

概要

リチウムイオン二次電池は、正極と負極の間でリチウムイオンが移動することで充電と放電が行われます。充電時にリチウムイオンを受け取り、放電時に電子を放出する負極活物質のひとつであるシリコン材料の製造工程に用いられるホソカワの装置について紹介します。

シリコンは、地上に大量に存在する酸化ケイ素SiO2を還元・高純度化して作製されます。シリコンの理論容量は、現在負極活物質として主に使われている黒鉛の約10倍と大きく、車載用途として注目されています。また、純粋なシリコンだけではなく、一酸化ケイ素や二酸化ケイ素あるいはシリコンに導電性を与えるためにドーピングを行って不純物半導体(nまたはp型)にした材料を用いることもあります。リチウムイオンの出し入れを増やすためには、電解液と接触する面積が大きいほど有利なため、粉砕によって材料を微粒子化する手法が用いられます。シリコンは、粒子径が小さくなると空気中の酸素と反応しやすくなり、場合によっては炎上する可能性もあるため、不活性雰囲気での粉砕・分級・製品回収が必要となります。

当社は、不活性雰囲気システムの実績を多く持ち、シリコン系についても同様の技術を活用したさまざまな装置を提供しています。
シリコンを負極材料として使用する場合、大きな問題が2つあります。
ひとつは純粋なシリコンを用いる場合、導電性が低いため電池材料としては使えないことです。そのため多くは導電助剤(主にカーボン系材料)と混合して使用されます。既定された電池体積において、導電助剤の量が増えると活物質の量が減少することになり、電池容量が低下してしまいます。これを回避するためには、導電助剤をすべてのシリコン粒子に付着させ、同時に導電助剤間を極力狭くして接触する構造を作る必要があります。

もうひとつの問題は、リチウムイオンの挿入・脱離によってシリコン粒子の体積が大きく膨張・収縮することです。黒鉛系でも同様の現象は発生しますが、シリコン系では膨張の度合いが大きく、充放電によってシリコン粒子が破砕され、導電ネットワークが寸断されたり、集電体から剥離してしまう問題があります。

当社では、これら2つの問題を解決するため、粒子表面を別種の粒子で被覆または一部被覆する方法を提案しています。

内容

粉砕

カウンタジェットミル 400AFG

シリコン粒子は、数μmからサブミクロンの大きさが一般的に用いられ、その作製には分級機内蔵のジェットミルあるいは攪拌型ボールミルが用いられます。

これらの粉砕機は遠心力分級機を内蔵し、粉砕された粒子を速やかに回収することによって粉砕効率を高めています。閉回路ガス循環システム(窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス)で粉砕・分級・輸送を行います。

数十μmの粒子は主にサイクロンで、数μm以下の粒子は集塵機で捕集されます。捕集された粒子は、大気に触れずに回収できる容器でグローブボックス中などへ持ち込まれて後工程に進みます。

また、粉砕品の粒子径測定も大気に暴露させずに行う必要があるため、粉砕・分級システムに直接組み込むことができるオンラインまたはインラインのレーザー回折散乱式粒子径分布測定機と組み合わせて使用されます。この装置を用いることで粒径をリアルタイムに測定、装置内での付着状態の変化や原料のロット違いなどによる粒子径分布の変化に合わせて、粉砕機や分級機の運転条件を調整することが可能となります。

 

処理能力

AFG閉回路のフロー

シリコン粒子の導電性付与および体積膨張の抑制

ノビルタ NOB-450

導電性を持つカーボン系材料とシリコン粒子を乾式で混合する場合、強力な圧縮・せん断力と衝撃力を与えることができるメカノフュージョンやノビルタが有効です。

これらの装置は、粒子にそれより小さな異種類の粒子(ナノ粒子が多い)を乾式で表面に分散、固定化、被覆することができます。

例えば、非晶質化されたシリコン系合金の表面に、低融点合金元素や炭素材料を複合化することが可能です。この処理によって、体積変化を抑制し、微粒化が起こった際にも、電子パスの3次元ネットワークが維持され、性能の低下が抑えられます。

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