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タイヤ カーボンブラック

概要

タイヤ向けカーボンブラックの製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。

カーボンブラックは、一次粒子が10~500nm程度の炭素の超微粒子で、ゴムの補強材や顔料、導電材などに使用されますが、特にタイヤ向けが多く、全体の70%近くを占め、多くはファーネス法(油やガスを空気の供給が不十分な状態で熱分解させる)で製造されます。粒子径、ストラクチャ(構造)、表面性状を制御することで、さまざまな用途に適合します。粒子は非常に細かく、そのままではかさ高いため、一般的には1mm程度に造粒して出荷されます。

内容

グリットの粒子径分布

カーボンブラックは、非常に細かい粒子ですが、その中にはグリッドと呼ばれる粗粒子が異物として極微量存在します。グリッドは、製造時に生成する微細コークス粒やファーネスの耐火炉材のかけら、金属さびなどからなります。グリッド量が多いと強度の低下など品質に影響するため、一定量以下に抑える必要があります。

そのため、カーボンブラック生成後にマイクロパルベライザなどで粉砕し、グリッド量を減らして出荷されています。

従来技術

マイクロパルベライザは、通常、スクリューフィーダで原料を機内に投入しますが、カーボンブラックの場合は、かさ高いこともあり、エアスエプト方式または重力落下方式によって投入されることがほとんどです。スクリーンは、へリンボーン形を使用することが多いが、能力を優先する場合はロングギャップスクリーンという開口の大きい特殊なスクリーンを使用することもあります。1ラインの能力は、1〜5t/hであり、能力に応じた型式が選定されます。

マイクロパルベライザAP-1

APのジャンプギャップスクリーン

AP断面図

近年では、用途によって、さらに高レベルのグリッド除去が求められるようになってきたため、分級によってグリッドそのものを除去したり、さらに高性能な粉砕機を用いて低レベルグリッドの製品を生産する例が増加しています。

グリッド除去に分級機を用いる場合は、通常、ミクロンセパレータを用います。カーボンブラックは摩耗性や付着性が非常に強いため、粉接部には材質、付着防止などの十分な対策が必要です。また、見かけ密度が軽いため、投入方法も通常のボトム式ではなく、トップインレット方式を採用します。分級微粉は、超高級カーボンブラックとして出荷されます。分級後グリッド分の多い粗粉は、そのまま低グレード品として出荷されるか、または再度粉砕処理します。

粉砕機を用いる場合は、スクリーンを使用せず、粒子径調整が容易で付着・摩耗にも対応できる衝撃型分級機内蔵微粉砕機ACMパルベライザが多く使用されます。具体的な使用方法としては、ミクロンセパレータからの分級粗粉を粉砕する場合と分級なしに原料を直接粉砕する場合があります。

ミクロンセパレータ MS

ACMパルベライザ ACM-300

一般製造フローシート

最新技術

ACMパルベライザ 100 E-ACM

低グリッド製品に対する最近の市場要求の高まりに応えるため、当社では、カーボンブラック専用機として、ACMパルベライザ・エンハンストを開発しました。

従来の機種では最新の市場要求を満たすには限界があるため、衝撃型分級機内蔵微粉砕機ACMパルベライザを改良することによって、安価な製造コストで最新の品質要求を満たすレベルまでグリッド量の低減を実現しました。

システム

粉砕機は、通常カーボンブラック製造設備の中にインライン装置として組み込まれます。粉砕機による圧力損失を補うためブロワは粉砕機直後に設置されます。

E-ACM粉砕機構

カーボンブラック粉砕プロセス

粉砕性能

一般的な2種類のグレードのカーボンブラックについてE-ACMの粉砕性能を下に示します。

原料中のグリッド量によって製品中のグリッド量も影響を受けます。E-ACMは、低投資コスト、低運転コストを実現しながら、最新の品質要求を満たすカーボンブラックを製造することができます。
原料中のグリット量によりリサイクル量を調整するため、性能表の処理量は目安です。

E-ACM性能表

E-ACM型式と参考処理量

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