ディーゼル粒子フィルタ用SiC粉体の製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。
ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)などの微粒子による大気汚染は、社会問題として規制強化が進められており、その解決策として、ディーゼル粒子フィルタ(DPF)が開発されてきました。DPFは常に高温の排気ガスにさらされる上、約450℃に加熱して定期的に洗浄する必要があるため、炭化ケイ素(SiC)などの高い熱安定性を持った材料が適します。DPFはSiC複合物のエレメントをプレスして作られています。プレスされるセラミックス(マトリックス)の原料は、粒子径分布が正確に調整された微粉体で構成されます。
ここでは、湿式処理(粉砕)されたSiCの乾燥プロセスと乾式閉回路粉砕システムを紹介します。
ドライマイスタ DMR
SiCに代表されるDPF用セラミックス原料粉体は、湿式粉砕の後、フィルタプレスによって得られたスラリーを乾燥して製造され、その乾燥に直接加熱型気流式乾燥機ドライマイスタが用いられます。
操作:連続式
機種・型式:ドライマイスタ DMR-2
原料の水分含有量:55%W.B.
供給能力:225kg/h
製品水分含有量:0.3%W.B.
乾燥品粒子径:d₅₀=0.5μm
装置材質:
粉接部/ステンレス鋼、SS304 耐摩耗表面処理
分級ロータ/ステンレス鋼 耐摩耗表面処理
ミクロンセパレータ MS-2H
フィルタ用原料のSiC複合物の仕様では、粒子径分布が重要です。このSiC複合物は、ボールミルと乾式分級機の閉回路粉砕システムを使って微細化される場合もあります。ボールミルで粉砕された砕成物は分級機で分級され、微粉は製品として取り出され、粗粉はボールミルに戻されて再度粉砕処理されます。
仕様例:
品名 炭化ケイ素(見掛密度1.0g/ml、真密度3.2g/ml)
製品平均径0.5〜0.7μm
機種・型式 粉砕機:ボールミル(直径1.5m、長さ5m)
分級機:ミクロンセパレータ MS-2H
分級機ケーシング 材質 SUS304(内面ウレタンコーティング)
分級ロータ 材質 SiC
製品処理量 50kg/h
SiC乾燥システム
SiC閉回路粉砕システム
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