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固相重合 ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)

概要

固相重合に関するホソカワの装置を紹介します。

ポリエステル系樹脂の中でも代表格のポリエチレンテレフタレート(PET)は、価格に対して機能性や取扱性の面でメリットが大きく、多方面で用いられる材料です。主な用途は、ペット(PET)ボトルや産業用繊維ですが、近年は耐候シートや光学フィルムへと用途が拡大しています。縮重合で合成されたポリエステルは、強度的に限界があるため、繊維用など用途が限られます。利用分野を広げるための強度(重合度)向上技術が固相重合です。

PET樹脂の固相重合、乾燥製品の用途例を示します。
PET:ボトル、産業資材繊維、タイヤコード、耐光フィルム(太陽電池)、一般繊維、食品フィルム、光学フィルム
また、PET以外の樹脂(エンジニアリングプラスチック)の固相重合、乾燥製品の用途例を示します。
ポリアミド(PA):産業資材繊維、タイヤコード、電子基板、バッテリケーシング(耐熱、絶縁)
スーパーエンジニアリングプラスチック(特殊PAなど):強化繊維(防弾チョッキ、エアバッグ)

内容

 乾燥システム[用途例:光学用フィルム(PET)]

液晶ディスプレイや精密写真に代表される光学用フィルムにおいて、透明性や汚れの有無、膜厚の均一性は最終製品の品質に直結します。本用途に用いられるPETは、粒状の固体(ペレット)の段階で超低水分域10〜100ppmまで乾燥させなければ、フィルム状にする工程で切れるなどの問題が生じます。また、乾燥だけでなく均等な結晶化を行わないと膜厚が均一になりません。当社の乾燥システム(DRS)は、これらの問題を全て解決するシステムとして最適です。

乾燥システムは、結晶化と乾燥の2工程からなります。

結晶化工程
  • 主目的:結晶化、乾燥温度までの昇温
  • 使用機器:ソリッドエアー

高速回転する攪拌機の外周の加熱ジャケットから迅速かつ効率良く熱交換を行うと共に結晶化が進行し、均一な結晶化品が得られます。

これが膜厚を均一にするために重要な要素となります。

ソリッドエアー SJS-24-12

ソリッドエアー内部

結晶化工程

乾燥工程
  • 主目的:乾燥
  • 使用機器:ホッパドライヤ

均一に結晶化した原料は、ホッパドライヤで低露点ガスによって乾燥が進行します。この時、結晶化済み原料は既に乾燥温度に到達しているため、本工程で昇温する必要がなく、必要な低露点ガス量は極少に抑えることが可能なことから、ランニングコストを低く抑えることができます。

固相重合設備[用途例:タイヤコード(PET)]

タイヤコードとは、自動車用などのタイヤ内に織り込む強化繊維のことです。古くは金属繊維が用いられましたが、近年は軽量で耐久性にも優れたPETやPAが用いられています。強度が要求されるため、PETの強度を上げる固相重合による加工が必要です。固相重合を行うことで分子同士が重合し、樹脂の強度が上がります。また、固相重合は原料樹脂に含まれる不純物を減少させる効果もあります。

固相重合設備(SSP)は、結晶化、乾燥、昇温(2次結晶化)、重合、冷却の5つの工程で構成されます。結晶化、乾燥工程は前項と同じです。

昇温(2次結晶化)工程
  • 主目的:重合温度までの昇温、更なる結晶化度のアップ
  • 使用機器:トーラスディスク

トーラスディスク TDS-12-3

次工程の重合は静止層(ホッパリアクタ)で行います。また、樹脂の融点に近い温度で重合を行うため、精密な温度管理が求められます。ここで、PETは温度を上げると結晶化が進み、発熱を伴うことが問題となります。結晶化が不十分な場合、重合時に発熱が生じ、樹脂温度が上昇してしまいます。融点に近い温度で取り扱うため、発熱すると融着が発生します。これらの発熱・融着を防止するため、昇温工程では結晶化を促進させ、安定した重合操作を行う準備をします。

重合工程
  • 主目的:固相重合、脱不純物
  • 使用機器:ホッパリアクタ

ホッパリアクタ

必要とされる強度(重合度)を得るため、ホッパリアクタ内部で一定時間樹脂を保持し重合を進めます。重合度は、ホッパリアクタで保持される時間によって変化するため、保持(滞留)時間の偏差が小さくなるよう設計されています。また、フルジャケットを採用することで、ホッパリアクタ内の水平方向の温度分布を極小とし、機内を流れるキャリアガスが均一に流れるよう設計されています。

冷却工程
  • 主目的:冷却、固相重合の停止
  • 使用機器:トーラスディスク

求められる重合度まで到達した樹脂を速やかに冷却し、重合を止めて品質を維持します。また、後工程のハンドリングを良くするためにも冷却工程は不可欠です。

固相重合納入例

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