2024年1月9日
「量」から「質」を高める1年に
まず、このたびの能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますと共に、被災された方々が一日も早く日常を取り戻せますよう願っております。
昨年2023年の重要指針を振り返りますと、今までの過去最高を更新するために「破」を掲げました。皆さんの多大な努力、時代の変化に合わせた仕組みづくり、そしてメンバーに加わった方々による新しい風、それらのすべての力を結集し、連結、単体共に過去最高の営業利益を5年ぶりに打ち破ることができました。まさに文字通りの1年を過ごすことができ、本当にありがとうございました。
ここで強調しておきたいことがあります。過去最高業績を残すためには総論として、今の1年目の方々の活躍は過去のどの時の1年目の方々よりも目覚ましく、それは入社10年目の方々であったとしても同じで、過去のどの時の10年目の方々よりも成果を残していただきました。管理職の方々も、過去のどの時の管理職の方よりもうまく運営していただきました。もしかしたら現在、日々の業務の中で悩みを抱えている方もおられるかもしれませんが、その悩みや挑戦すらも10年前の先輩達が抱えていた悩みよりもレベルの高いものだと思います。良いところも困難への挑戦も含めて、すべてのグループ会社のすべての力を結集することで、最高業績を達成することができました。若い方々や入社すぐの方々の中に、その実感や達成感がない方が仮におられたとしても、過去のホソカワミクロングループのどの時よりも優秀な方々の集まりだということは自信をもってお伝えしたいと思います。
この最高業績を振り返りますと、私自身は昨年を「量」に裏打ちされた最高業績だと考えています。受注残高という物量に支えられ、日本をはじめとしたグループ各社の積極的な価格戦略が原動力となっており、あえて反省の気持ちで表現するならば、量に助けられた「イノベーション無き好業績」と表現することもでき、どこまで「質」を追求できたのか?という1年となりました。そこで、あらためて「量と質」について話したいと思います。
たとえば、ビール好きの人がいたとしましょう。その会話の中で各メーカーのビールのおいしさ、製法や原料の違いなどについて深く語っていたとします。散々語った後に、「でもビール以外飲んだことはないんです」と言われた場合、その話の重みは少し下がります。これを私は「量無く質を語る」と表現しています。仕事に置き換えてみましょう。非常に少ない仕事量しかない状況でベストと思われる選択をしたつもりでも、それは本当にベストなのでしょうか。もしかしたら他の良い方法があるのかもしれません。ただし、常に新しいアイデアが次から次へと湧き出てくるわけではないでしょう。新たなやり方は他の部門や他のグループ会社ではどうやっているのかなど、横のつながりを意識した何気ない日常の業務の中で発見できる場合もあります。しかし、多くの場数を踏まなければ、発見し、挑戦する機会が少ないのも事実です。2024年は、年頭より受注残高は昨年と同様に豊富にあり、まだ量を経験できるチャンスが残されています。忙しいからこそ、やり方を考えながら、量に裏打ちされた本当の「質」を磨くチャンスだと考えます。
毎日同じという日はありません。必ず昨日と違う今日があります。その変化を敏感に感じ取って、楽しんでください。そうすれば、量に振り回されず、視点が「質」に向けられるはずです。ホソカワミクロングループとしても、日々の変化を敏感に感じ取り、皆さんと共に「質」を高めて、更なる超優良企業を目指していきたいと思います。
ホソカワミクロン株式会社
代表取締役社長 社長執行役員 細川 晃平