当社グループは、サステナビリティを巡る諸課題について、「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」との企業理念のもと、優れた技術をもって顧客の多様なニーズに的確に対応すると共に、自然環境の保護や次世代のための環境保全に取り組んでおります。
2023年10月に「ホソカワサステナビリティ経営委員会」およびその下部組織として「ホソカワサステナビリティ Working Group」を発足して、グループ全体にわたるサステナビリティおよび気候変動を含めた環境に関する方針や施策の立案や実行を審議・決定していきます。また、全社サステナビリティの実態に対し見える化を図り、これまでの活動をさらに推し進めるために、2025年10月に新組織として「サステナビリティ推進室」を設置いたしました。 一例ではありますが、社内外で次のような、サステナビリティ施策を実施・推進しています。
2050年のカーボンニュートラルがテーマの一つです。当社グループのように鉄材料を使う産業にあっては、自社だけでなくサプライチェーン全体での取り組みが、カーボンニュートラルの実現に向けた鍵と考えます。達成への道のりは決して平坦ではありませんが、当社グループにできることを、地道に積み重ねていきたいと考えます。
また、カーボンニュートラル以外にも、当社グループは事業活動を通じて幅広い分野で貢献できると考えています。粉体技術は多種多様な製品分野で活用されており、身近なものでは、電池、食品や建材(パーティクルボード)などが挙げられます。
さらに、長期にわたって当社グループ製品を使っていただくことは、資源枯渇の回避や廃棄物削減にもつながることから、メンテナンスサービス事業にも力を入れています。
当社グループは国内で約200種類の生産装置を保持し、粉体技術が使われる原料の種別は約1,200種類にもなることから、専門性や経験値が必要となり、従来は業務が属人化しやすく、従業員の計画的な養成に課題を抱えていました。最近では様々な技能の映像化・アーカイブ化を推進し、動画をもとに自主的に学習できる仕組みを構築しています。
また、40年以上前から当社独自の取り組みとして「特別専門職制度」を設け、学習奨励金を支給し、自己研鑽の結果を“報文”として発信してもらっています。
提出される“報文”は年間70件ほどです。内容も自社製品・技術に関する内容だけにとどまらず、人事戦略や安全衛生管理などにも及び、役員が読み込んで優秀報文の表彰を行うほか、会社の施策として採用された事例もあります。また、過去の“報文”に従業員がいつでもアクセスできるようアーカイブ化しており、組織知への昇華を図っております。
ガバナンスを機能させるポイントとして以下の2つを重視しています。
まず1つ目は、年代やバックグラウンドなどの多様性です。それぞれの立場で忌憚なく意見が出ることに意義があると感じています。
なお、当社グループは欧米に主要拠点が4つありますが、それぞれの会社のトップは日本人ではありません。各社の歴史を尊重した結果として、多様性を確保した“フュージョン経営”を実践しております。
2つ目は、企業が置かれた状況を踏まえた、適切な論点の設定です。例えば、不測の事態が発生した場合の対処方法にしても、社会、株主、従業員などのステークホルダーに与えるインパクトを最小限に抑えるための議論が行われていなければ、それはガバナンス不全だと考えます。
サステナビリティ経営を進めていく上で、事業活動を通じて社会課題を解決していくことが一番大切だと考えています。
そのためには、従業員一人ひとりの日々の活動、技術開発による革新の実装が欠かせません。お客様からのご要望を待たず、自己発信で何ができるか考えることが大切だと思います。
当社グループは、顧客が抱える様々な社会課題解決に資する製品を提供していきます。
代表取締役社長 社長執行役員
細川 晃平