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パウダテスタ ® PT-X

概要

粉体測定の基本である、安息角、凝集度など7種類の主要な粉体特性値と固めかさ密度など3種類の補助値を1台で測定し、R.L.Carr氏が提唱した指数として、粉体の「流動性」と「噴流性」を定量的に評価できる総合的な粉体特性評価装置です。

パウダテスタは、R.L.Carr氏の了承を得て、当社が装置化した粉体特性測定の世界標準といえる装置であり、1969年に初代PT-A型が発売されて以来、進化を繰り返し、全世界で4,000台以上の納入実績を持っています。
電池材料、トナー、医薬などあらゆる業界で、製品の品質管理、製造プロセスの設計・最適化、新製品開発における特性評価など、種々な用途で使われています。
9代目となるパウダテスタPT-Xは、世界中のパウダテスタユーザの声を集約し、全面的な改良を行い、測定の精度、安定性、操作性をさらに向上したことで「粉体測定のグローバルスタンダード」に相応しい装置となりました。

初めてパウダテスタを知られた方や、粉体特性の測定の必要性についてお知りになりたい方はこちらをクリック。

原理・構造

測定可能な項目

安息角、圧縮度、スパチュラ角、凝集度、崩潰角、分散度、差角、ゆるめかさ密度、固めかさ密度、均一度

300種類に及ぶ粉体の測定データはこちら。

また、オプション測定として以下の3種の測定が可能です。

平衡点検索

定容積法で固めかさ密度の測定を手動で繰り返し、規定の割合以上に粉体が詰らなくなる状態のかさ密度を求めます。

簡易粒子径測定(オプション)

JISに準拠した乾式ふるい分け試験により、10%、50%、60%、90%粒子径を求めることができます。最大で12段ふるいを用いた測定が可能です。

タップ密度測定(オプション)・・・自動測定

USP米国規格

タップ密度自動計測ユニット(Fig. 1)により、ガラス製メスシリンダを使用したタップ密度の測定を行うことができます(USP米国規格)。
日本薬局法、米国材料規格(ASTM)に準拠した測定に加え、川北式評価法を用いた粉体層の圧密特性の評価が可能です。

粉体の体積を画像センサで自動計測しており、サンプル供給後はタッピングによる粉体の体積の減少がなくなるまで無人で測定を行うことができます。

タップ密度自動計測ユニットとのセット

測定画面例

特長

高い操作性

各パーツを大幅に改良して操作性を向上し、測定時間を23%(当社比)短縮しました(全項目測定20分)。
各測定は付属のパソコンに表示される操作説明に沿って行うことで、簡単に個人差なく測定ができます。

ソフトウェアは、日・英・独・中・韓の5ヶ国語に対応しています(オプション)。
測定データのCSV出力、オペレータと管理者の権限設定などユーザーから要望が多い機能を搭載しました。

高い測定精度、再現性

振動部、タッピング部などの駆動部を全面改良して精度を向上し、角度測定やショッカによる崩潰動作など、人為的な差が生じる動作を自動化することで測定者間の差異を解消しました。
測定データ毎に測定条件を保存するため、過去の測定条件と同一の条件設定が可能です。

除塵機能

測定部の密閉性が高く、機外へ測定粉体が漏れにくい構造になっています。特に粉塵が発生しやすい粉では、本体背部に掃除機を接続することで簡易的にダウンフロー気流を発生させ、発塵を抑制できます。
オプションで専用サンプル供給容器を用意しており、測定中にアクリルカバーを開けることなく粉の供給ができます。

少量サンプル測定

オプションで小容量の安息角テーブルとかさ密度測定用カップを用意しており、サンプル量が少ない場合でも測定が可能です。

統計解析ソフトを標準添付(2018年12月以降)

 

高度な知識を必要とせずパウダテスタの測定データをそのまま読み込むだけで解析が可能です。

  1. データの代表値(平均値、標準偏差)
  2. データ間の違い(有意差検定)
  3. データ間の関係(相関係数)

以上を簡単に求めることができます。

統計解析ソフト

用途例

歴代パウダテスタは、100件を超える学術論文に引用されています。

限界流出径と流動性指数

限界流出径と流動性指数

ホッパからの排出の難度(ブリッジの程度)を排出可能な最小径で表現すると右のような関係があります。
(第11回粉体工学に関する講演討論会36、1977)

水分と流動性指数

水分と流動性指数の関係

粉体の含水分は、流動特性に大きな影響を与えます。水分変動によって流動特性が変わり、しばしばトラブルが生じます。
当原因によるトラブルの防止には、水分の流動特性におよぼす影響を定量的に把握しておく必要があります。
(化学工学協会編、化学機械技術第22集 155、丸善、昭和45年)

混合速度と流動性

混合速度係数におよぼす流動性指数の影響

粉体の混合工程を計画する上で、混合速度係数を考慮することは重要ですが、混合速度係数φは粉体の流動特性に影響されます。
流動性指数と混合速度係数φの相関性を利用して、パウダテスタを混合プロセスの計画や管理に用いることもできます。
(粉体工学会誌 9、p83、1972)

注: 混合時間tを横軸に、混合度(標準偏差)σを縦軸(対数表記)にとったグラフにより表示した混合曲線は、混合初期において混合度の対数が混合時間に対して直線関係を示します。すなわち、混合速度式が一次の関数になります。その勾配の絶対値を混合速度係数 φといいます。
つまり(混合初期では)/dt = -φσとなり、初期条件= 0でσ σ0とすると、この微分方程式の解はσ  σ0・exp(-φt)となり、混合度(標準偏差)σを計算で求めることができます。

人間の感覚と流動性指数、噴流性指数

流動性指数と感覚指数の関係

ある製薬会社がパウダテスタで求めた流動性指数と噴流性指数が実際に粉体を扱う人たちの感覚と一致するかどうかについて綿密な調査を行いました。
その結果、感覚的な流動性の指標とパウダテスタによる測定値が良く対応していることが報告されています。
(粉体工学会誌 9、p90、1972)

仕様

タッピング条件は目的に応じて変更可能で、調整範囲は下の通りです。

補足

パウダテスタ ユーザー様

平素は、弊社 粉体特性評価装置 パウダテスタPT-X型をご愛顧賜り誠にありがとうございます。
さて、当装置は発売から6年を経過し、様々な分野のお客様にご利用頂いておりますが、アクリルカバーを支えるダンパの劣化が進行している個体があるようです。
当装置は、アクリルカバーにダンパを採用することで指詰め等の事故を未然に防止するよう設計しております。
そのため、アクリルカバーに自重以上の力を加えて強制的に閉じる操作を繰り返されますとダンパの劣化を加速する原因となります。
つきましては、アクリルカバーは45度程度まで手動で閉めて頂いた後は、アクリルカバーの自重で閉まるよう操作して頂きますようお願いいたします。
なお、アクリルカバーのダンパが十分に作動していない現象が見られましたら、弊社営業担当者または下記連絡先までご相談下さいますようお願い申し上げます。

<ご連絡先>
医薬測定事業部
大阪 TEL:072-855-3256
東京 TEL:04-7131-3160

補足

旧型パウダテスタのメンテナンスサポート終了について(再度のお知らせ)

ホソカワミクロンの粉体特性評価装置パウダテスタをご愛用いただき、誠に有難うございます。
2009年2月10日付でご案内させていただいておりましたが、(その時のニュースはこちら)題記の件につき、型式が一つ増えましたことにより、再度御案内申し上げます。

メンテナンスサポート期間終了の連絡

粉体特性評価装置パウダテスタはこれまで御愛顧を賜り、1969年販売開始のPT-D/E型から最新機種PT-X型までに新旧5世代のパウダテスタが存在します。
PT-S型以前のモデルにつきましてはこれまで、対応部品の在庫確保、修理要員の研修によりメンテナンスサポートを継続させて頂いておりました。
しかし、液晶表示部品やパネルコンピュータ、その他電子部品が入手不可能になる部品が多くなってきております。
つきましては、本機修理等のメンテナンスサポート業務を古い機種から順次終了させていただくことになりました。
御理解と御了承いただけますようお願い申し上げます。

  • パウダテスタPT-D/E型 ...メンテナンスサポート終了 2009年9月
  • パウダテスタPT-N型  ...メンテナンスサポート終了 2010年9月
  • パウダテスタPT-R型  ...メンテナンスサポート終了 2011年9月
  • パウダテスタPT-S型  ...メンテナンスサポート終了 2019年10月

※ 症状により、メンテナンスサポート以前でも、一部修理不可能な場合がございます。
また、電子基盤、操作用パネル型PC、電子部品の在庫が無くなった時点でメンテナンスサポートを終了させていただくことになります。予め御了承頂きたく宜しくお願い申し上げます。
御不明な点は弊社営業担当までお尋ねください。

<ご連絡先>
医薬測定事業部
大阪 TEL:072-855-3256
東京 TEL:04-7131-3160

ご質問・ご相談はお気軽にお寄せください