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半導体封止剤用シリカ

概要

半導体封止剤用シリカの製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。

LSIをはじめとする半導体集積回路は、通常、熱膨張率の低減や紫外線などの光、温度、水、塵あるいは衝撃などからの保護を目的にパッケージされています。パッケージの材質には、エポキシ樹脂が広く用いられますが、フィラーとしてシリカ(化学式SiO₂)などの無機物微粒子が多量に含まれ、機能性を高めています。
溶融シリカや液中で合成するコロイダルシリカなどの球状シリカは、エポキシ樹脂と混ぜた時に流動性が高く、尖った部分がないため、回路にダメージを与えることはあまりありません。
一方、溶融シリカの粉砕や鉱石として採掘された結晶質シリカを粉砕して得られる破砕シリカは、パッケージの強度向上に役立ちます。ただし、それぞれに欠点を持つため、多くは適度にブレンドして使われます。これら2種類のシリカの製造には、それぞれ異なった粉体技術が必要です。球状シリカには乾式分級技術、破砕シリカには粉砕・分級技術や湿式粉砕の後工程で乾燥技術が必要とされます。

内容

粉砕法によるシリカの作製(粉砕シリカの必要性)

半導体パッケージの軽薄短小化に伴い、より小さな粒子径のシリカが求められます。しかし、微細化するほど液状封止剤の粘度が上昇し、狭い間隙を充填しにくくなる問題があります。これを解決するため、球状シリカに破砕シリカをブレンドします。このシリカを製造する装置には以下の条件が求められます。

  • 平均径数μm〜数十μmの粒子を作れ、必要に応じて粒子径を変更できること
  • 粗粉および微粉がないこと=均一(シャープ)な粒子径分布(微粉は粘度を増加させるため)
  • コンタミがないこと(金属、イオンなど)

当社ではこれらの条件を満たす次の2種類の装置を提供します。

  • 分級機内蔵カウンタジェットミルAFG
  • ACMパルベライザセラミックス仕様

どちらの装置も粗粉の発生を抑制すると同時に過粉砕を抑制することによって希望する平均径と粒子径分布を得ることができます。また、粉砕機本体だけでなく、プロセス全体で粉体が金属と接触しないよう設計できます。たとえば、セラミックスパーツ・尿素樹脂・PEEK樹脂などを組み合わせて金属コンタミのない超微粉砕を乾式で行うことができます。

カウンタジェットミル 400AFG

セラミックス仕様AFG(内部)

AFGによる粉砕事例

ACMパルベライザ ACM-30HC

ACMパルベライザ ACM-15HC

球状シリカの分級

溶融シリカなどの球状シリカは、通常、水簸などによって粒子径をそろえますが、乾式のまま工程を進めたい時などには、遠心力を利用した気流式分級機ターボプレックスが用いられます。この装置は分級ロータの回転数を制御することで分級点を変更できます。多くは粒子に含まれる粗粉を除去するために利用されます。

球状シリカのATPによる分級

ターボプレックス 315/6 ATP

シリカの乾燥

微粒子の作製には湿式粉砕を用いるが、その後工程でシリカ粒子を乾燥する必要があります。気流式乾燥機と間接加熱型乾燥機を処理能力や乾燥の程度に応じて使い分けます。前者としてゼルビスやドライマイスタ、後者としてソリッドエアーが用いられます。後者は前者よりも処理能力は低いものの熱効率が良く経済的で、より低い水分値まで乾燥できます。本工程では乾燥以外に粒子に割れなど破損を起こさないことも求められます。

ゼルビス XB-900

ソリッドエアー SJS-24-12

ゼルビス フロー

表面改質 絶縁性の向上など

ノビルタ NOB-450

シリカ粒子に樹脂との親和性を持たせるため、液状のシランカップリング剤をハイスピードミキサなどで被覆します。しかし、未反応のシラノール基(Si-OH基)が残存し、空気中の水分を吸湿してしまうため、このような粒子を樹脂に混ぜた複合樹脂でICを封止(パッケージ化)すると、200℃にもなる加熱工程で水分が爆発的に気化し、割れが発生しやすくなります。また、封止剤は光を通さないようカーボンブラックなどの黒色顔料を添加して着色します。しかし、着色剤粒子はナノザイスのため凝集性が非常に強く、分散が困難なため、得られた液状半導体封止材料は流動性が悪く、電気抵抗が低い(導電性が高い)ものとなるなどの問題を持ちます。

さまざまな粒子を被覆することが可能な乾式粒子複合化装置ノビルタは、湿式法でシランカップリングしたシリカ粒子にカーボンブラックを被覆する処理を容易に行うことが可能で、当問題を解決することができます。

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