香辛料、ハーブ、乾燥野菜の製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。
各種ソースやスープ、チーズなどの乳製品、ソーセージ、ベーカリー製品にも使用される香辛料は、粉砕処理によって製造、加工されますが、種類によって粉砕性が大きく異なります。また、ウコンのように栽培法や収穫期によって粉砕性が大きく変化するものもあります。そのため香辛料の粉砕では、種類や要求される粒子の大きさに応じて、さまざまな処理システムを設計する必要があり、高度な粉砕技術が求められます。
当社では、各種香辛料の製造、加工工程となる洗浄、圧砕、剪断、粉砕、液体窒素を用いた低温粉砕、篩分け、分別、混合、包装などに適したさまざまな機器を提供しています。
香辛料の粉砕処理は、原料の硬さや大きさ、油分量、剪断抵抗、靭性などがさまざまであるため、その製造プロセスは多種多様にならざるを得ません。使用される粉砕機としては、要求される最終製品の粒子径や具体的な仕様に応じて、以下のような機種が選択されます。
・剪断用 ロートプレックス(Ro)
・粉砕用 ファインインパクトミル(UPZ)
・粉砕用 コントラプレックス(CW)
・低温粉砕用 ファインインパクトミル(UPZ)またはコントラプレックス(CW)
ロートプレックス 28/40 Ro
はさみで切るように原料を裁断するので、にんじん、にんにく、マッシュルーム、セロリ、ほうれん草、玉ねぎなどの野菜や各種スパイス、ハーブなどを微粉を最小限に抑えつつ細かく剪断加工するのに適しています。
スケールアップファクタは以下の通りです。
タイプ 28/28 Ro F=0.7
28/40 Ro F=1
28/60 Ro F=1.5
28/80 Ro F=2
36/60 Ro F=1.8
ロートプレックスロータ形状
ロートプレックスの用途例
ロートプレックスのフロー
原料に応じて交換可能な部品が多く、さまざまな用途に適用できる微粉砕機です。粉砕能力に加え、この多様性に関する重要性が近年高まってきています。油分が多い原料を除き、ほぼあらゆる香辛料に適用できるため、標準粉砕機として世界中の香辛料産業で実績を持っています。
スケールアップファクタは下記の通りです。
タイプ 315UPZ F=1
500UPZ F=2
630UPZ F=3.6
原料性状(水分、油分、純度および原産地など)の中でも摩耗特性に応じた粉砕機構の選択ができるため、適応範囲が広いことが特長です。ばらの実のような硬い果核や根、種子、果皮、高灰分の殻などの粉砕にも適しています。
ファインインパクトミル315UPZ
ファインインパクトミルの構造
ファインインパクトミルのフロー
ファインインパクトミル315UPZの用途例
香辛料は、原料性状が粉砕特性に大きく影響するため、上の処理能力は参考値となります。
従来から代表的な香辛料用粉砕機として広く業界で使われてきました。特に他の粉砕機では処理できない高脂質で、熱に敏感な香辛料粉砕には最適です。さらに、付着に強いワイドチャンバを有し、長期にわたる連続運転も可能です。
スケールアップファクタは下記の通りです。
タイプ 250CW F=1
400CW F=2.5
2枚の回転ピンディスクの回転速度および回転方向の選択により、油分を保持しながら、微粉砕することができます。
コントラプレックス800CW
コントラプレックスの構造
コントラプレックスのフロー
コントラプレックス250CWの用途例
香辛料は、原料性状が粉砕特性に大きく影響するため、上の処理能力は参考値となります。
香辛料を粉砕する際に生じる熱は、香辛料中の油分の揮発や熱に弱い脂肪分の溶融の原因となるばかりか、粉砕機の閉塞や過負荷による装置の停止原因になる可能性もあります。このようなトラブルを防ぎ、プロセス制御を最適化するため、コントラプレックスCWやリンレックスミルLXによる低温粉砕が用いられます。
液体窒素(LN2)を冷媒として粉砕機中へ直接噴射し、製品とシステムを冷やします。さらに長い滞留時間やより低い温度が求められる場合は、スクリューホッパの中で予め原料を予冷、脆化することもあります。
常温粉砕の油分損失は約15〜43%であるのに対し、低温粉砕では3〜10%と大幅に減少するため、香辛料の香りや風味を損なうことなく粉砕することができます。また、脆性破壊が生じるため、粉砕能力が約2倍に増加するとともに粉塵爆発の危険性も回避されます。
凍結粉砕機リンレックスミルのフロー
LN₂冷媒仕様のCW低温粉砕システム
粉砕品の香油成分残存量
マルチプロセスシステム
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