世界の人口の増加と中間層の拡大により、世界規模で一人当たりの肉や魚の消費量が増加し続けています。一方、昨今の畜産や養殖は生産物の何倍もの穀物や魚粉によって賄われているため、2025~30年には世界でタンパク質の供給が需要に追いつかなくなると言われています。これは「タンパク質危機」と呼ばれており、SDGsの2番「飢餓をゼロに」を達成するためにも、この問題への対応が必要とされています。
「タンパク質危機」解決のためには、食品廃棄物の再生利用や植物性タンパク質による代替などの取り組みを普及させていくことが求められており、そのままでは利用できないものを粉にする技術や、粉にしたタンパク質を効率良く回収する技術が注目されています。
例えば、加工時に捨てられていた魚介類未利用部分は、栄養価も高く、新たなタンパク源として注目されていますが、可食部分を取り出すことが困難で、かつ水分や油分を多く含んでいるため腐敗しやすいという問題があります。そこで乾燥させ粉砕して粉にすると、栄養を摂取しやすくなり、かつ小麦粉や液体など、多くの材料と容易に混合できるために利用幅が広がります。さらに、当社の乾燥機を使えば、乾燥と粉砕を同時に、一台で実現できるため、各種コストが抑えられるといった多くのメリットがあります。このように、当社の粉体技術はタンパク源の有効利用のために活用されており、世界の食料問題の解決にも貢献しています。