粉体を取り扱う操作では、多くの工程で粉をガスや液体の流れに乗せて運びます。そのため粉を取り出すためには、それらの流体と分離する必要があり、その操作を集塵と呼んでいます。なかでも掃除機のようにフィルタで回収する装置は「ろ過式集塵機(バグフィルタ)」と呼ばれています。
装置の構造図を示しますが、ハウジング側面に、含塵空気・ガスを取り入れるインレットが設けられており、ここより流入した含塵空気・ガスは、ハウジング内のフィルタの外表面へ到達して、粉体・粉塵はフィルタ外表面で捕集され、ろ過されてクリーンになった空気・ガスだけがフィルタを通過し、トッププレナム内を通って排気口から機外へ排気されます。
フィルタは機内のチューブシートに取り付けられており、成形タイプと、金具(リテーナ)により円筒形を保持する縫製タイプがあります。
フィルタ外表面で捕集された粉体・粉塵は、パルスジェット逆洗機構によって払い落とされ、ハウジング下部のホッパに落下し、排出機(ロータリバルブなど)から機外へ排出されます。
パルスジェット洗浄機構により、フィルタ外表面で捕集された粉体・粉塵を、効率良く連続的に払い落とし、フィルタの目詰まりを無くす事で安定した連続運転が行えます。
パルスジェット洗浄機構のメカニズムは、トッププレナムに搭載されたヘッダパイプ・ダイヤフラムバルブ・パイロットバルブ・ブローチューブ・ベンチュリとタイマ(制御盤)で構成されています。
ヘッダパイプへ供給された圧縮空気・ガス(標準圧力:0.4~0.7MPaG)は、パイロットバルブの瞬間的な動作で、ダイヤフラムバルブを通過してブローチューブに設けられたブローホールから噴出されます。この時、ベンチュリ効果によって周囲の空気・ガスを巻き込みながらフィルタ内へ一挙に噴射されるため、フィルタが激しく振動し、フィルタ外表面に付着した粉体・粉塵を確実に払い落とす事ができます。
集塵機を通過する風量の変動を最小限にするため、各々のフィルタが1~3分間に1回洗浄され、更に全フィルタの30%以上が同時に洗浄されないサイクル方式を採用しています。