ここまでさりげなく、粒子の大きさ、という単語を使ってきました。
しかし世界に存在する粉のほとんどは不定形ですので、大きさ、という単語が何を意味するのかといった定義をきちんとしておかないと(本当は)話しができません。
ややこしいことに、この”大きさ”には様々な定義があります。
これは人間の体の大きさを表すのにいろいろな定義があるのと同じです。
身長、胸囲、あるいは足の長さ・幅・甲の高さなど複数の値の組み合わせ、体重...
これは、その数値で何を表したいのか、何に使うのかによって必要な値が異なるからです。
人の高さを示したいときは身長を、水本やスカートのサイズを決めるには身長ではなく胸囲が必要です。靴を作るなら足の様々なサイズの長さが必要になります。
また椅子の耐荷重を決めるには長さの情報は不要ですが、体重が必要になります。
このように、基準となる値を長さなのか、体重(質量)なのか、あるいは他の値(体積、表面積など)なのかを定義しておくことは重要です。
さらに粉の場合は人と違って形も大きく異なります。したがって、長さといってもどこを測るのか?という問題があります。
そもそも非常に多くの粒子(少なくても数百個レベルでの測定が必要であり、数万個以上の測定を行う場合も決して珍しくありません)をどうやって測定するのか?という問題があり、長さを測る、という大きな物体ではそれほど難しくない作業が、途端に困難な壁となって立ちはだかります。
おまけに同じものを測ろうとしても、測定の前処理の方法、測定原理、測定機構(方法)によって結果は変わります。
このあたりのことは一冊の本になっているほど長い話ですので、ここでは省きます。
粒子径の測定については粒子径分布測定器を製造販売されているメーカのウェブサイトなどで解説されていますので、そちらをご覧ください。