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慣性モーメント

慣性モーメントって何?

学術的な単語ですが、回転している物体を考えるときに、非常に重要な概念ですので、紹介しておきます。
物質には「慣性」という性質があります。
簡単に書きますと、物体が外から力を加えられないとき、物体は静止し続けるという性質です。慣性は止まっている物体を直進運動させるときの、運動のさせやすさを示し、ニュートンの運動方程式(F=ma)では質量mに相当します。
(故に、この質量を慣性質量と呼びます。天秤で測って得られる重量から導く質量を重力質量といいますが、基本的に一緒とされています)
これによって、走り始めた車の中でつり革が動いたり、加速感を感じたりする理由が説明されます。

さて回転には、回転しているものは倒れにくい(コマとか自転車の例が有名です)など、直線運動を考えていた時とは異なる現象が生じます。これを説明するためにいくつかの考え(定義)が必要なのですが、その一つが慣性モーメントです。



慣性モーメントとは、止まっている物体を「回転運動」させようとするときの動かしにくさ、あるいは回転している物体の止まりにくさを表す指標として使われます。
止まっている物体における同様の性質を慣性ということは先ほど記しましたが、回転体の場合はその用語を使って慣性モーメント、と呼びます。
世の中に回転するものは非常に多くあります(自動車などの車軸、モータ、発電機など)ので、その設計にはこの慣性モーメントを数値化して把握しておくことが非常に大切です。

ちなみに はずみ車という、おもちゃ やエンジンなどで、速度変動を抑制するために使われる回転体があります。英語をカタカナ書きするとフライホイールといいます。宇宙戦艦ヤマト世代にとってはなじみ深い言葉ではないでしょうか?フライホイールはできるだけ軽い素材でありながら大きな慣性モーメントも持つように設計されています。