ナノとかマイクロという言葉がありますが、これはミリ(m)とかキロ(k)、メガ(M)といった言葉と同じく、基本となる単位の何倍か、あるいは何分の一か、を表す言葉(専門的にはSI接頭辞と呼ばれて、国際単位系であるSI単位系で採用されている表現)です。
これらの言葉はギリシア語由来のため、聞きなれない言葉が多いかもしれません。
例外的にミリ、センチ、キロ、そして1992年の年末からはヘクトという言葉は身の回りにあふれています。
(1992年、気圧の単位がミリバール(mbar)からヘクトパスカル(hPa)に代わりました。天気予報で使われています)
接頭辞が前につく単位はいろいろありますが、長さの場合はメートル、質量の場合はグラムになります。
SI接頭辞は基本的に1,000倍、あるいは1,000分の1(1/1000)倍 毎に代わっていきます。しかし身近なモノを表すのに1,000倍はあまりにも大きすぎる場合が多く、10倍、100倍、あるいは1/10倍、1/100倍といった大きさを表すための言葉が別途作られています。接頭辞の一部を使用例とともに、表で紹介します。
ちなみに表にでてくる「指数」というのは、なんとかの何乗、という表現をしたときの”何”に当たる部分です。例えば1000という数字と、10という数字を3回掛け算したものは同じ値になります。3回程度だと書き下すこともできますが10回かける、となると大変です。そこで1000のことを10を3回かけたもの103(10の3乗)と表記します。こうすると短く書ける、桁数を数える必要性がない、指数同士の計算が楽(10万×1億を書くのにゼロの数を数えながら書くのは大変です。でも105×108=1013と書くことが簡単にできます)さらにこの指数をマイナスにしたり、分数あるいは小数点つきの数字にしたり、といろいろとバリエーションを考えることができ、それらの利用は現代社会の基盤になっています。身近なところでは利子・利息の計算にも使われています。
対数については超微粉砕のところで紹介します。
1. 小さいほうの接頭辞
倍数 | 千兆分の一 | 一兆分の一 | 十億分の一 | 百万分の一 | 千分の一 | 百分の一 | 十分の一 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
倍数 (指数表示) |
10-15 | 10-12 | 10-9 | 10-6 | 10-3 | 10-2 | 10-1 |
SI接頭辞 | フェムト(f) | ピコ(p) | ナノ(n) | マイクロ(μ) | ミリ(m) | センチ(c) | デシ(d) |
利用例 | フェムト秒 レーザー |
ピコリットル(インクジェット |
ナノ テクノロジー |
マイクロ メートル |
ミリグラム | センチメートル (cm) |
デシリットル (dL) |
2. 大きいほうの接頭辞
倍数 | 十 | 百 | 千 | 百万 | 十億 | 一兆 | 千兆 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
倍数 (指数表示) |
101 | 102 | 103 | 106 | 109 | 1012 | 1015 |
SI接頭辞 | デカ (da) | ヘクト(h) | キロ(k) | メガ(M) | ギガ(G) | テラ(T) | ペタ(P) |
利用例 | 欧州の一部で デカグラム |
ヘクトパスカル 気圧の単位 |
キログラム、 キロメートル kg, km |
メモリカードの 容量、32MBなど |
メモリカードの 容量 32GBなど |
テラバイト HDDの容量 2TBなど |
デシリットル |
つまりミリメートル(mm)という単位はメートル(m)の千分の一であることを表し、ミリグラム(mg)はグラム(g)の千分の一であることを表しています。
同様にマイクロメートル(記号ではμm)は、ミリメートルの千分の一の大きさであることを、ナノメートル(記号ではnm)はμmの千分の一の大きさであることを表しています。