製品

  1. TOP
  2. 製品
  3. 業種別検索
  4. 粉砕トナー

粉砕トナー

概要

粉砕トナーの製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。

複写機やプリンタなどで使用されるトナーは、樹脂に着色剤を練りこんだ粉体です。その粉体を紙面に敷き詰め、熱で定着させてさまざまな文字や画像を再現します。カラープリンタの場合は、青・赤・黄・黒4色の着色樹脂粉を重ねて、鮮明な画像を再現します。そのため、トナーには粒子単位での非常に高精度な均質性が求められ、製造工程は粉体に関する最も高度な技術が要求されます。
一般的に複写機の現像は露光・現像・転写・定着・クリーニングの工程からなります。それぞれの工程でトナーに求められる物性・特性を集約すると、小粒径・低融点・球形・シャープな粒子径分布といった物理的特性が挙げられます。
トナーには大別して粉砕トナーとケミカルトナーの2種類があります。一般的に粉砕トナーは溶融した樹脂に顔料、帯電制御剤、ワックスを分散して練りこみ、冷却して固化したものを微粉砕して、超微粉のみを除去し、流動化剤を添加して作製されます。

内容

カウンタジェットミル 400TFG

粉砕トナーの一般的な製造工程は、混合→混練→冷却→粗粉砕→微粉砕→粗粉分級→微粉分級(球形化)→外添混合→充填です。当社はこれらのうち粗粉砕以降の工程でさまざまな機器を提供しています。

  • 粗砕工程

溶融混練し、チップ状に冷却固化したトナーを粉砕機に投入できる大きさまで粗砕する工程です。一般的にはフェザミルやハンマミルが用いられます。その後、微粉砕工程での粉砕効率を高めるため、さらに20μmから30μm程度まで粉砕する必要があり、この工程ではACMパルベライザやグラシスが使われます。

  • 微粉砕工程

最終的なトナーの粒子径を決定する工程であり、カウンタジェットミル(TFG)やグラシスが使われます。

従来、トナー粒子径は10μm程度であり、低融点でもなかったため、ターゲット式ジェットミルや通常の機械式粉砕機が使われてきました。ところがプリンタや複写機の高速化・省エネルギー化の要求の高まりや高精彩な画像特性の要求から低融点化・小粒径化が進み、蓄熱による融着が起こらないカウンタジェットミルや高冷却型の機械式粉砕機グラシスが使用されるようになりました。

カウンタジェットミル TFG

高性能な分級機を内蔵し、後工程での粗粉分級工程を必要としない粉砕機です。また、原料同士の衝突による粉砕であり、低融点化が進むカラートナーに最も適した粉砕機といえます。油圧ポンプによって分級機構を容易に開閉・洗浄することができ、色替えにも適しています。

トナー製造プロセス

高冷却型機械式粉砕機 グラシスGC

グラシス GC-600

粉砕ロータにも冷媒を流すことでトナーの軟化を防ぎ、処理能力向上と融着防止を実現した最新の粉砕機です。

ジェットミルに比べエネルギー効率が高い上、微粉の発生量が少ない従来の機械式粉砕機のメリットを踏襲し、冷却効果による粉砕効率の向上が加味されたことで、稼働時のCO₂排出量を大幅に低減させました。

従来のロータ冷却型機械式粉砕機と比較しても、大量の冷媒をロータに流せるため、従来型の半分程度の冷風で運転が可能となりました。

TFG、グラシスの性能

グラシス粉砕システム

200TTSP セパレータ

粗粉分級 TSP セパレータ

微粉砕工程にグラシスを用いた場合、粗粉分級機としてTSPセパレータを使用します。ロータの回転による遠心力と空気の吸引力の差によって分級を行う強制渦流型分級方式の分級機であり、非常に高い精度で粗粉を除去し、粉砕機へ循環させます。
 

  • 微粉分級工程

トナー全体の粒子径分布の幅を狭くするための工程であり、個数頻度で品質評価されるほどの厳密な管理が行われています。この微粉分級の精度がトナー製造工程全体の原単価に大きく影響を与えます。

この微粉分級工程で最も多く使われている分級機が、タンデムトナーセパレータTTSPです。TTSPは強制渦流型分級機であり、TSPセパレータで使用される分級ロータを上下に並べて分散力を高め、滞留時間をより長くして分級精度を向上させています。一段目の分級ロータでおおよその微粉を除去し、二段目のロータで精度の高い微粉除去を行います。
 

ファカルティ F-430S

球形化装置 ファカルティ

  • 球形化システム

重合トナーが主流になりつつある状況の中で、粉砕トナーの球形化ニーズが高まっています。以前は熱による球形化が一般的であったが、トナー内部のワックスが熱に弱いため、熱による球形化は一部で行われるのみとなり、機械的な力による球形化が主流となっています。

これに対応するのが粒子設計装置ファカルティです。ハンマによる衝撃でトナー表面の凹凸を平滑化させて球形度を上げつつ、内蔵した分級機で微粉除去を行なう装置です。この分級機が前述のTTSPと同等の分級精度を持つため、球形化工程が必要なフローの場合、工程を増やすことなく、球形化・微粉分級を行うことが可能となります。

外添工程では、従来、他社製高分散型混合機が使用されてきたが、トナーの小粒径化および樹脂の硬度化に伴って、外添剤のトナーに対する結合力を高める必要性から、現在ではより圧縮・せん断力の強いノビルタが使われるようになってきました。

  • 外添工程

ノビルタは、強い圧縮・せん断力によって外添剤を分散させ、トナー粒子表面に定着させることができ、トナーの外添処理には最適な混合機です。特にプリンターの転写率を向上させるために重合トナーのような表面平滑性の高い球形トナーが主流となっており、外添剤の安定的な定着が大きなテーマとなることが多く、ノビルタが注目されています。

ファカルティ球形化システム

ファカルティ製品SEM写真

ご質問・ご相談はお気軽にお寄せください